まだ無名の風景たち

そしてその情景

信用と見返り

 先日、自分は誰のことも信じないと豪語する人がいました。いろいろ裏切られた経験があるから、とその人は言っていました。「例えば、君はクビです、と突然言われたらどうしますか?」とその人は言うわけです。

 僕は、なぜかこの話に違和感を覚えました。何か心に引っ掛かるのです。いろいろ考えていると、ふと気がついたことがありました。この人の話は、「あなたは自分を雇ったのだから、自分を首にするのはおかしいはずだ」という前提があって初めて成り立つのではないか。さらに踏み込むと、「私はあなたを信頼したのだから、それに対する見返りがなければならない」という理屈がこの人の前提になっているのではないか。
 
 仮にこの仮説が正しいとすると、この時点で、すでにふたつのことが明確になりました。
・そもそも、まず初めに人を信頼することが前提になっている
・その信頼に対する見返りを無意識のうちに求めている
 
 あなたは、自分は人を信じないと言いましたが、それは嘘です。すでに、あなたは人を信頼しています。そうでないと、あなたの言っていることがそもそも成り立ちません。
 あなたは無意識のうちに人を信頼し、かつ無意識のうちに他人に何かを期待しています。そしてあなたは、その期待したものがなかったり、あるいは期待した以下のものであったりすると、それを裏切りと呼ぶのではないでしょうか。(これが僕の心につっかえていたものだと思います。僕には、これは傲慢のように思えました。あなたは労せず何かを得ようとしているように見えました)
 
 あなたがあの時言うべきだったのは、「私は誰のことも信じません」ではなく、「私は見返りの大小を気にしません」だったか、あるいは「見返りのない人はいりません」だったのではないでしょうか。
 
 面と向かって、「私は誰のことも信じません」と言われて、正直なところ、僕は良い気分ではありませんでした。
 一体、僕はあなたにどう見られていたのだろう。

研修期間の心境とか

 会社の研修があったため、4月くらいから今月6月くらいまで何も書けなかった。 

 研修ではアプリを作ることになっていた。開発期間は1カ月で、5月に終わる予定のはずだったが、自分の開発のスピードが遅いため1か月延長になった。一か月延長ってなる時、なんだか嫌な気分がしたものだ。プロジェクトマネージャーが不気味に見えた。自分のことを試しているように見えた(このプロジェクトマネージャーは自分に対してはかなりそっけない態度を取る)。この期間、自分は神経がピリピリしたり、なぜか周りのことが気になったりした。いままでは、ほとんど引きこもりみたいなことをやっていたので、こういう研修みたいな期限が設けられていたり、他人と半ば競争みたいな形になる機会とは疎遠になっていた。自分はもう26歳を迎えたが、それでもまだまだ青いなって感じが自分でもわかる。確かに。

 まだ完全に終わったわけではないが、一応、アプリ開発は一段落することになる。けっきょく、当初予定したものの全ての機能を実装するということはできなかった。機能はかなり削った。見た目もそんなに良くない。けれど、今の自分のスキルだとこれが限界だという感じだった。土日もプログラムに時間を費やしてできたのが今目の前にあるものなんだから、これが今のベストの形なんだって自分で思えたのは悪くなかった。妥協って、あんまりいい言葉ではないが、しかし、妥協点を見つけていくのも賢さのひとつだということを知った。ただ、妥協点を見つけるためには、自分で納得するくらいエネルギーをそそがないといけないらしい。なんていうか、自分なりには相当頑張ったと思う。だから、妥協点も見つけられたんだと思う。

 研修期間中はずっと不安だった。ため息をついたり、挫折しかけたりした。たぶん、これからも不安な状態が続くのだろうけれど、未来のことはあまり考えないようにしている。その都度考えていこうと思っている。 

 しかし疲れた。娑婆はつらいよなぁ。今週はゲーセンにでも行って、散財してこようかな。あ、これも未来のことか。まあ、いいや。

陰口

 今日、友人のAからBの陰口を聞いた。でも、AがBの陰口を言ったということは、いつか自分もこの人に陰口を言われる可能性があるということを意味している。そもそもこの人は陰口を言う人なんだとわかってしまうんだから、陰口を言われる可能性がとても高いことを示してしまう。いや、もうすでに言われているかもしれない。

 一回の陰口だけで、これだけのことがわかってしまう。

 陰口を言うということは、実はそれを言った当人の信頼を失う(=陰口を聞いている周りの人間からの信頼を失う)だけの行為で、何のメリットもない。

 

 誰もがこのことに気がついているんじゃないかと思っていたが、気がついていない人間もいるのだろうか?それとも、単に惰性で見過ごしているのだろうか?

 わからない。