2014-01-01から1年間の記事一覧

人が倒れていた

夜の八時くらいに、アパートの近くにあるドラックストアとスーパーに買い物に出かけた。ドラックストアで洗剤とかを買って、スーパーで冷凍食品とか野菜とかを買った。そして、両手に袋をぶら下げて、アパートに戻る帰り道。住宅街の道に入ったところだった…

祭りの夜、流刑地

駅ビルの書店で、『祭の夜』という本を買いました。 パヴェーゼはあまり知られていない作家のような気がします。 どちらかというと、彼はマイナーですよね。個人的にはちょっと気になる作家だったんですけれども。 立ち読みした時、『流刑地』が気に入りまし…

ヴィム・ヴェンダース『RADIO ON』 感想

この『RADIO ON』に限らず、ヴィム・ヴェンダース作品に通じるものとして、「何かに対する疲れ」があると思う。そしてヴェンダースは、疲れからの逃走を描いているように思う。 この作品は、上記の法則からいくと、工業化された社会からの逃避願望を描いてい…

ウラジミール・ソローキンの本を(少し)読んで思ったこと ~ポップアートとニヒリズム~

ソローキンという作家を知った。前からなんとなく名前は知っていたが、どうせたいしたことはないだろうと思っていた。アマゾンとかの評価のところに変態作家とか書いてあって、こういう風に名指しされる作家って大抵ろくなやつがいないということを知ってい…

ソーシャルネットワーク 天才がゆえの孤独

久々の更新。以前に見た映画。うろ覚えなので、所々おかしいところがあるかもです。 主人公はいわずと知れたマークザッカーバーグです。どうもこの映画はフェイスブック批判、あるいはザッカーバーグ批判という文脈で見られることが多いような気がしますが、…

イノセンス ~素子について~

映画の本筋とは関係ないかもしれませんが、素子について面白いなと思うことがありました。セクサロイドにダウンロードされた際の素子の声についてです。素子の声は声優の田中敦子さんの声です。 素子の声はセクサロイドにダウンロードされても、田中敦子演じ…

ストレンジャー・ザン・パラダイス 「その肉どこから来たの?」「牛だろ」

だらだらとテレビを見ているシーンが流れたり、競馬に出かけようぜなんて会話をしていたり、ポーカーでイカサマをしたりしています。そんな映画です。ヒーローも出てこないし、何かイデオロギーを訴えるわけでもありません。感動もしないです。けれども、こ…

スカイ・クロラ ~生と死と愛~

主人公を含む、キルドレと呼ばれる子どもたちは、永遠に大人にならない子どもたちだ。 民間企業が戦争を代行している世界。キルドレはその企業に属しているいわば兵士である。キルドレは歳をとらない(肉体が老いないという意味か?)。またキルドレは、死ん…

ゴーストワールド おかしさの中に「寂しい」がある

気の合う二人組、イ―ニドとレベッカは、高校を卒業したはいいものの、特に何をするわけでもなく毎日を無為に暮らしていた。二人は 暇つぶしにと、新聞の恋人募集の欄にあった電話番号にいたずら電話をかける。二人はジョシュという同級生の男子を連れて、電…

羊をめぐる冒険 ~記憶、過ぎ行く風景~

僕の相棒から連絡があった。どうやら仕事でトラブルがあったらしい。僕は黒服の男と会うことになる。その男は、どうやら右翼の大物政治家の部下であるらしい。黒服の男は、羊の写真が使われている生命保険の広告を取り下げてほしいと要求する。その広告に使…

血と暴力の国 ~神、運命~

モスがレイヨウ狩りをしていると、荒野に車が三台停まっているのが目に入った。周囲には死体があった。トランクには麻薬。そして現金。モスが金を持って帰ることから運命の歯車が回る。なくなった金を回収するために殺し屋のシュガ―がモスの後を追う。シュガ…

イノセンス ~人間の部分は脳だけ~

バト―は脳以外はアンドロイドという設定らしいです(間違ってたらゴメン)。恥ずかしながら最近までこの設定を知りませんでした。これは恋愛映画でもあって、もし人間が脳だけになったらどういう恋愛をするのか、ということが描かれています。バト―と素子の…

父、帰る よそ者としての父親像

自分自身の家庭というものを振り返ってみると、父親から異質な匂いがしたことはなかっただろうか。その異質さというのは、その家庭の者にはない、外部の人間の匂いが入り混じっているからではないだろうか。少なくとも、子どもが父親にそういう雰囲気を感じ…